(具体例)
私の娘は、昨年の5月まで青色事業専従者として私の事業に従事していました。昨年の6月に結婚し他家に嫁いでいます。昨年分の娘に支払った青色事業専従者給与は90万円で、娘にはそれ以外の収入はありません。
この場合、5月までに娘に支払った給与は、必要経費にできますか?また、娘は嫁ぎ先で夫の控除対象配偶者になれますか?
アドバイス
あなたが5月まで娘さんに支払った青色事業専従者給与90万円は、必要経費に算入できます。また、娘さんの夫があなたと別生計でしたら、娘さんは夫の控除対象配偶者になれます。
青色事業専従者になるかどうかの判定についてですが、通常、生計を一にする親族が専ら事業に従事しているかどうかは、その従事する期間が6ヶ月を超えるかどうかで判断します。
ただし、青色事業専従者の場合には、次のような状況なら6ヶ月以下の場合でも必要経費に算入できるという例外があります。
○年の中途での開業・廃業・休業した場合や青色申告者が死亡したり季節営業などの理由で、その年中を通して事業ができなかった場合
○事業に従事する親族が死亡したり、長期の病気や婚姻その他相当の理由でその年中を通して事業ができなかった場合
これらの場合には、事業に従事することができると認められる期間の2分の1を超える期間を事業に専ら従事すればよいとされています。
娘さんの給与について
娘さんの場合、他家に嫁ぐまでの期間の2分の1を超える期間をあなたの事業に従事すればよいことになりますので、5月まで娘さんに支払った青色事業専従者給与90万円は、必要経費にできます。
青色事業専従者でも控除対象配偶者になれるのかについて
青色事業専従者で給与をもらっている人と事業専従者は、生計を一にしている人の控除対象配偶者や扶養親族になることができないとされています。
娘さんは夫の控除対象配偶者にはなれないのかについて
この場合の青色事業専従者や事業専従者を控除対象配偶者や扶養親族にできない人とは、事業主や事業主と生計を一にしている者とされています。
ですから、あなたと娘さんの夫が生計を一にしていないのであれば、娘さんの合計所得金額は38万円以下ですので、娘さんは夫の控除対象配偶者になることができます。
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