(具体例)
昨年の11月に花屋を廃業しました。しかし、事業の運転資金として借りた銀行からの借入金を、引き続き返済しています。
この場合、「事業を廃止した場合の必要経費の特例」を適用して、借入金の利子を必要経費にしてもよいでしょうか?
アドバイス
借入金の利子は、家事上の経費になりますので、事業廃止後の必要経費の特例は適用できません。
事業廃止後の必要経費の特例について
事業を廃止した後に、その事業に係る費用や損失で、仮に事業を廃止しなかったらその年分以後の必要経費になるはずの金額が生じた場合は、その金額を事業を廃止した年分か、その前年分の必要経費にするというものです。
この特例は、廃業前に本来は業務上の費用や損失とされる可能性があったものが、廃業後に発生したことで費用や損失として認められないのでは課税上不利になるので、廃業年分の必要経費として再計算させる趣旨であると思われます。
具体的には、売掛債権の貸倒損失などが考えられますが、借入金などの期間対応の費用は対象としていないものと思われます。
従って、質問の場合も、借入金の利子は事業を廃止した後の期間に対応する費用ですので、家事上の経費になり、事業廃止後の必要経費の特例は適用できません。
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