(具体例)
歯列矯正専門の歯科医です。矯正料については、患者との契約で矯正装置を装着した時に請求し受領することにしています。そのため、矯正装置を装着した年の収入金額に一括して計上しています。この度、治療中の患者が、転居により治療を中止することになり、矯正料の一部を返還することになりました。
この返還した金額は、どのように取り扱われますか?
アドバイス
患者の転居などやむを得ない事情で矯正料の一部を返還した場合には、返還された金額は返還時の必要経費にします。
歯列矯正の収入金額の計上時期について
診療報酬の収入すべき時期は、たとえ長期の治療が必要な患者から受けるものでも、その治療期間内においては診療の都度患者に請求しているのが一般的であると思います。
けれども、歯列矯正料については診療の有無にかかわらず、その装着した時が収入時期に当たると考えられています。
従って、未実現の利益を一括して収入金額に計上することになります。
歯列矯正を中止した場合について
患者の転居などやむを得ない事情により歯列矯正治療を中止し、矯正料の一部を患者に返還した場合には事業上の損失ということになります。
従って、返還された金額はその年分の損失として必要経費になります。
消費税については、事業者が行なった課税資産の譲渡等について、返品や値引きなどをして対価の一部を返還した場合には、返還した課税期間の課税標準額に対する消費税から返還した金額に係る消費税額を控除することになります。
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