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貸し渋り・貸し剥がし対策:「企業格付け」アップ作戦! Q&A

1. 中小企業の現状と金融情勢

Q03. いま、中小企業を取り巻く金融情勢はどうなっているのですか?(2003.11.10)

政府の金融再生プログラムでは、主要銀行に対して不良債権処理を求めると同時に、中小企業に対しては金融環境が極端に悪化しないように、『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』の周知徹底などのセーフティネット策が講じられています。

また、平成15年3月には「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」という報告書が公表されました。例のリレバン、リレバンと言われているあれです。

ここでは、中小企業への貸出しについては、大企業と同様に考えるのではなく、柔軟的・総合的な見方で行うべきであるとの見解が示されています。

これからの中小企業経営においては、このような新しい金融情勢の変化を正しく理解した上で、対策を講ずることが必要ですよね。
■中小企業融資を重視する「金融再生プログラム」とは?

(1)金融再生プログラム 平成16年度には、主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させ、より強固な金融システムの構築を目指しています。

(2)「中小企業貸出に対する十分な配慮」(セーフティネット)とは以下のものを言っています。
  • 中小企業貸出に関する担い手の拡充(銀行免許許可の迅速化とか、Jローンの設置推進などです)
  • 中小企業再生をサポートする仕組みの整備(信託機能やデッド・エクイティ・スワップ(債務の株式化)などです)
  • 中小企業貸出計画未達成先に対する業務改善命令の発出
  • 中小企業の実態を反映した検査の確保(これは『金融検査マニュアル別冊』の趣旨・内容を周知徹底するということです)
  • 中小企業金融に関するモニタリング体制の整備(「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」の創設などのことです)
よって、金融機関は、中小企業の融資に対しては、この「金融再生プログラム」の指針に従って行動しなければならないということになっています!

■機械的・画一的な判断を是正する『金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)』とは?
  • 中小・零細企業等の適正な債務者区分を総合的に判断します!
    『金融検査マニュアル』(本冊)の方をご覧になったことがありますか? 実はこちらの方は、中小・零細企業の債務者区分の記述が抽象的で分かりにくいという指摘があったのです。
    そんなわけで、『別冊』では中小企業の財務状況、資金繰り、収益力などにより返済能力を総合的に判断するケーススタディとして16の事例を掲載しているのです。

  • 機械的・画一的な対応を抑制します!
    この『別冊』に書かれた複数の事例は、中小企業を総合的に判断することを示唆しています。これは、銀行の窓口担当者の機械的・画一的な対応に対して抑制効果を及ぼす可能性があると思われます。
■今後注目されるリレーションバンキングとは?
  • その意義と有効性は?
    地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合は、融資先と長期で継続的な関係を保ち、中小・零細企業、個人を主な顧客にするなど、主要行とは異なる行動原理や特性を持っています。
    これにより、地域の中小企業への金融が円滑化されたり、地域経済が活性化されるので、質の高い中小・地域金融機関が果たす役割は大きいといえます。

  • 『別冊マニュアル』は重要視されます!!
    金融審議会の報告書では、中小企業に対する貸出しについては、大企業に対する貸出しと同様に考えるのではなく、『金融検査マニュアル別冊』に例示されているとおり、経営実態を重視した総合的な視点で資産査定を行うことが強調されました。
■リレーションシップバンキングのアクションプログラムとは?
平成15〜16年度の2年間を「集中改善期間」として、リレーションシップバンキングの機能強化を確実に図るとされています。

○中小企業金融再生に向けた取り組みは? 具体的には、以下のようなものがいわれています。
  1. 創業・新事業支援機能等の強化
  2. 取引先企業に対する経営相談・支援機能の強化
  3. 早期事業再生に向けた積極的取り組み
  4. 新しい中小企業金融への取り組みの強化
  5. 顧客への説明態勢の整備、相談・苦情処理機能の強化
  6.  
  7. 進捗状況の公表(各金融機関・業界で半期ごとに公表)
○健全性確保、収益性向上等に向けた取り組みは? 具体的には、以下のようなものがいわれています。
  1. 資産査定、信用リスク管理の厳格化
  2. 収益管理体制の整備と収益力の向上
  3. ガバナンスの強化
  4. 地域貢献に関する情報開示など
  5. 法令等遵守(コンプライアンス)
  6. 地域の金融システムの安定性の確保
  7.  
  8. 監督、検査体制
これによって、各金融機関は平成15年8月末までに「リレーションシップバンキングの機能強化計画」を提出することになったのです。また、半期ごとに実施状況を金融庁がフォローアップ、取りまとめて公表することになっています。

■地域金融機関による企業再生支援活動とは?

○地方銀行が「企業再生支援」専担部署を設置しています!!
平成13年度〜14年度にかけて、地銀64行で「企業支援部」「企業経営支援チーム」などの名称の専担部署が設置され、企業再生支援に取り組んでいます。
もっと具体的には、
  1. 独立した専担部署設置:11行
  2. 部内に課・チーム等専担部署設置:48行
  3. 部署内への専担者配置:4行
  4.  
  5. その他:1行

○専門化とのタイアップによる「企業再生支援」をしています!!
ある地銀では、税理士・公認会計士などの専門家とアドバイザー契約を結んで活動しています。また、コンサルタント会社などと業務提携しているところもあります。


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