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貸し渋り・貸し剥がし対策:「企業格付け」アップ作戦! Q&A
3. 企業格付けアップ作戦!
Q03. 金融機関は、なぜ、決算書を重要視するのですか? (2003.12.3)
■信用リスクを把握するためには決算書が不可欠だからです!
従来、融資の際には担保の有無が話題になっていましたが、現在の審査では「企業格付け」に大きなウェートが置かれています。その際にもっとも重視されるのが財務評価(定量要因)、つまり、決算書の内容です。
しかし、『2003年版中小企業白書』では、中小企業の信用リスクを把握する上で、「開示される情報量が少ない」「決算書に信頼が置けない」といったことが取り上げられています。
中小企業金融では、こうした「情報の非対称性」(情報が一方に片寄っていることです)が問題になっているのです。
■正確な財務情報のディスクロージャーを!
今般の商法改正で、インターネットで自社の決算書を公開することができるようになり、中小企業にとっても、自社の財務情報のディスクロージャーが重要になってきました。
ただし、その際に決算書が正確な記帳と会計処理の方法に基づいて作成されていないと、その価値は大きく低下してしまいますので注意が必要です。
法人税法上は当期利益から課税所得を計算しますが、損益計算書の6つの利益が正確に表示され、貸借対照表の正確な表示と注記が行われることは、本来はあたり前のことなのです。
自社の経営内容を金融機関や取引先に正確に理解してもらい、経営内容が適正に評価されることで、金融機関からの融資や取引先の拡大が可能になるのです。
○6つの利益・・・売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益、当期未処分利益のことです。
■ちょっと宣伝・・・決算書の高い品質を証明する「データ処理実績証明書」と「書面添付」!
当事務所では、「巡回監査」と「月次決算」を実施し、高い品質の決算書の作成を支援しています。そして、情報センターからその事実を証明してもらうために、「データ処理実績証明書」を発行してもらっています。
これにより、「当期の決算書は、日々の記帳に基づく会計帳簿からそのまま誘導されたものであり、単独に作成されたものではないこと」等を証明しています。
この書類は、税務署に提出する法人税申告書にも添付されることになります。
また、当事務所は、税理士法33条の2第1項に基づく書面等を申告書に添付する運動を推進しています。
これは、自らが作成した会計帳簿等と申告書については、税務当局から「調査の必要はありません。申告是認の取り扱いをします」と言われるほどの高い信頼性を獲得していくこと等を目的としています。
■格付けアップの前に、まず正しい表示が行われているかを確認しましょう!
「企業会計原則」では、一度採用した会計処理の方針は「正当な理由」がない限り、みだりに変更することはできない(継続性の原則)とされています。
ただし、変更後の会計処理の方が会社の実態を「より正確に」表示できる場合は、「正当な理由」に該当すると考えられます。「正当な理由」による変更については、財務諸表に注記しなければなりません。
○損益計算書の表示は?
たとえば、自動車整備工場で保険代理店手数料収入がある場合、定款では保険代理業も業務の目的として記載されていても、雑収入で営業外収益に計上しているケースがあるとします。
↓
税務上問題がなくても、これは、本来は売上に計上されるべきものです。
その結果、格付けアップのプラス要因になる可能性があります。
○貸借対照表の表示は?
実質債務超過にならないために、長期借入金の中に役員借入金がある場合は、役員長期借入金と別枠表示しましょう!
自己資本比率がアップします。
『金融検査マニュアル別冊(中小企業編)』の事例1では、「債務者区分の判断にあたり、当該代表者からの借入金について返済を当面要求しないことが認められるのであれば、これを自己資本相当と考えることは可能である」とされているからです。 |
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